豊橋鬼祭2024:コロナを超えて新たな一歩、おにどこがもたらす魅力と未来への展望

コロナ禍を乗り越え復活を遂げた豊橋鬼祭は、2024年も大盛況の中、無事に開催されました。豊橋鬼祭を全力でサポートしてきた「おにどこ」は、鬼祭における重要な役割を果たし続けています。 今回は、おにどこが豊橋鬼祭にもたらす魅力と、次年度に向けて新たな取り組みに挑戦するおにどこプロジェクトについて詳しくご紹介いたします。

2024豊橋鬼祭①

豊橋鬼祭の魅力とおにどこの貢献

安久美神戸神明社の例祭「豊橋鬼祭」は、東三河に春の訪れを告げる祭礼として、毎年2月10日から11日にかけて盛大に行われます。 その中でもおにどこは11日に行われる「赤鬼と天狗のからかい」や「門寄り」において特に注目を集めました。おにどこは、赤鬼の現在位置を地図上で表示することができます。アプリの利用者は「自宅の近くに赤鬼が来ている!」「赤鬼が来るまでにあと○○分くらいかかりそうだ」など、赤鬼の位置を確認することによって、効率の良い祭りへの参加が可能となりました。

2024おにどこ①

さらに、「AR門寄り」の実装により、パンフレットや神社などの撮影スポットに記載されたマーカーをスマートフォンのカメラで撮影することで、鬼の3Dモデルを仮想的に出現させることができます。このAR門寄りは鬼祭当日も大いに利用され、記念撮影やSNSでの共有など、多くの参加者が楽しんでいる様子が見られました。

2024AR門寄り①

進化し続けるおにどこ

これらの機能に加えて今年のおにどこは、新たに会所への到着や出発を通知する機能が追加されました。祭事の対象エリア内にいる場合、バックグラウンドで赤鬼の各会所への到着・出発の通知を受け取ることができるため、アプリを閉じていても赤鬼の位置を把握することができます。これにより、祭りの進行状況や会所の混雑状況をリアルタイムで把握し、よりスムーズな参加体験が可能となりました。

おにどこ_通知

今年も豊橋鬼祭におけるおにどこの活動には、多くの参加者から高い評価を得ました。ダウンロード数は約2500件と昨年よりも多くの方にご利用頂けた結果となり、アンケート調査によれば、多くの方がおにどこの利用を肯定的な体験として挙げていただきました。

おにどこ奉納式

新たな取り組みの一環として行われたものが、おにどこの奉納式です。2024年2月7日、安久美神戸神明社にておにどこの稼働を奉告する奉納式が執り行われました。奉納式では御神前にアプリを起動しAR機能を用いて赤鬼の姿を投影することで、システム全体の無事運用や今後の発展を願い、おにどこを通じ豊橋鬼祭という文化への寄与・ひいては郷土豊橋への貢献を祈願いたしました。

奉納式1 奉納式2

奉納式の実施は地元3紙で取り上げられました。詳しくはこちらもご覧ください。

豊橋鬼祭デジタルで盛り上げ(東日新聞)

豊橋鬼祭を控え「おにどこ」完成を奉告(東愛知新聞)

10日から豊橋鬼祭 鬼の居場所を表示するアプリ「おにどこ」定着(中日BIZナビ)

次年度への展望

2018年の実証実験から始まり、早くも7年。豊橋鬼祭関係者の皆様からのご理解とご協力を賜り、産学協同で進められた研究から生まれたおにどこは、祭りへの参加をより便利にサポートすることはもちろん、祭りの魅力を様々な角度で楽しむことができるアプリケーションとして、豊橋市民に親しまれるようになりました。

実証実験からスタートした事業というのは、実際には、継続していくことだけでも困難なことがほとんどです。 それは国や地方自治体からの一時的な補助金や助成金をもとに実証実験を開始し、その資金源があるうちは良いのですが、一時的な補助金の給付がなくなってしまうと、そこで事業の運営資金が尽きてしまうからです。 実証実験の継続には、新たな資金源の確保などができない限り、一時的なPoC(Proof of Concept、概念実証)のみで終わってしまうのが実情です。

そんな中でも「おにどこ」は安久美神戸神明社様をはじめ、利用者の皆様から便利なサービスとの評価を頂くだけでなく、豊橋鬼祭の運営には「おにどこ」がないと困るとまでおっしゃってくれる方もいます。そのような評価を頂けているからこそ、ここまでずっと継続することができています。 また、今年は「おにどこ」のシステムの柔軟性や拡張性を高くするとともに、ルート、スポットなどのデータの更新作業を手間をかけず、容易にできるようにし、メンテナンスコストを可能な限り下げ、継続的に運用できるような体制を整えることができました。

次年度からは、安久美神戸神明社や豊橋鬼祭保存会のご協力のもと、運用形態を変更しつつも「おにどこ」は継続していきます。「おにどこ」を正に「豊橋鬼祭の一部」とすべく、祭の一要素として取り入れていただき実施していく予定です。

「おにどこ」は、豊橋鬼祭と共に伝統と革新を融合させながら、地域の文化とコミュニティの発展に貢献し続けます。次世代に繋げる文化をより多くの人々に魅力的に伝えられるよう両者が協力し合い、新たな技術やアイデアを取り入れながら豊かな文化体験を提供し地域コミュニティの絆を深めていくことを抱負とし、これからもおにどこが豊橋鬼祭と共に歩み続け、地域の誇りとなる文化イベントを築いていけるように精進してまいります。

2024豊橋鬼祭②