とよはし保育園マップを作りました

Code for MIKAWAでとよはし保育園マップを作成しました。

■とよはし保育園マップ
http://uzura.org/papamama/

本制作にあたっては、豊橋技術科学大学の山下賢治君にご協力頂きました。

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とよはし保育園マップとは、豊橋市内の保育施設の位置を地図上に表示してくれるWebサービスです。 Code for Sapporoの皆様が作成、公開している『さっぽろ保育園マップ』のコードをもとに、豊橋市がオープンデータとして公開している保育施設のデータを使って作成しました。

さっぽろ保育園マップはCode for Sapporoにより2014年にGitHub上にソースコードが公開されており、コードの一部を変更して地域の保育施設のデータを用意することで、様々な地域の保育園マップを作ることができるようになっています。 実際に、つくば市や千葉市など多くの地域で、自治体が公開しているオープンデータを活用して保育園マップが作成されています。

■様々な地域の保育園マップ さっぽろ保育園マップ by Code for Sapporo
むろらん保育園マップ by Code for Muroran
つくば保育園マップ
ながれやま保育園マップ by Code for Nagareyama
ちば保育園マップ by Code for Chiba

保育園マップを地域に対応させるために必要なコードの変更点は、具体的にはマップのAPIキーと初期位置です。BingマップとthunderforestのAPIキーを取得し、町の中心的な位置の緯度と経度を調べ、コードに反映しました。 詳細は後述しますが、さっぽろ保育園マップで使用している札幌市が公開した保育施設のデータと豊橋市が現在公開しているデータでは項目の内容に違いがあったため、保育施設を絞り込む検索機能に関するコードも一部変更しています。

とよはし保育園マップの作成には、Open Data TOYOHASHI 豊橋市オープンデータ (下記画像) で公開されているデータを使用しております。

OpenDataTOYOHASHI

こちらのサイトでは、豊橋市の保有する行政のデータが公開されているだけでなく、民間のデータもオープンデータとして公開し、みんなで活用することができるようになっています。

とよはし保育園マップでは、ここで公開されている豊橋市の保育園、認可外保育施設、幼稚園のデータを元に、保育園マップのコードで扱えるような形に加工を行いました。

ただ、このデータの加工では、少し困ったことがありました。保育園の始業時間と終業時間についてのデータが、

全角半角混在
半角のみ

と半角と全角の文字が混在する状態で記述されていたのです。”~”の前と後で区切って始業時間と終業時間のデータを個別に取り出すことは簡単だったのですが、”:”が全角であることに気づかず、始業時間や終業時間で保育園を検索する処理がうまく機能してくれないなどの問題が発生しました。別の項目に保存されている延長保育や早期保育の時間のデータには”:”と半角で書かれていたこともあり、少し紛らわしく感じました。データ加工時に”:”を半角の”:”に変換するようにして問題は回避できましたが、もう少し扱いやすい形でデータを用意してもらえるとありがたいと感じました。

この他には、札幌には保育園の受け入れ人数に空きがあるかどうかのデータがあり、空きの有無で検索を行う機能が用意されていましたが、豊橋では該当するデータが無かったためその機能は無効化しました。 保育園の空きのデータはあれば非常に便利になるので、ぜひオープンデータ化してもらいたいと思います。

実は今回、とよはし保育園マップでは、さっぽろ保育園マップと同様に サーバ上に保育施設のデータを置いて表示する とよはし保育園マップ(ローカル版)だけでなく、Open Data TOYOHASHIのAPIを使ったとよはし保育園マップ(API版)も作成しました。

■とよはし保育園マップ API版
http://uzura.org/papamama/datastore/

Open Data TOYOHASHIでは、データを随時入手できるAPIが提供されており、これを利用して豊橋の保育園の最新情報を取得して表示するのが”API版”とよはし保育園マップです。ローカル版では人の手で(Excelなどを使って)データを加工していましたが、API版ではデータ加工の処理をソースコードに書き加えました。 datastore_api_overview

前者のローカル版(データをサーバ上に置く方法)では、豊橋市のデータが変更された場合にこちらでデータを更新しなければ、とよはし保育園マップには反映されません。 csv_preview

後者のAPI版(Open Data TOYOHASHIのAPIを使った方法)では、データはAPIから取得するため、豊橋市のデータが変更されたとしても随時、とよはし保育園マップにも反映することができます。これにより、データの更新の度に加工する手間を省くことが可能です。

今回、とよはし保育園マップを作るにあたって、Code for Sapporoの方々がオープンソースとして公開しているものを利用したため、コーディングの手間が非常に少なく済みました。 また、作る過程でオープンデータに対する要望も見えてきました。データの形式の扱いやすさの問題や、自治体ごとのデータの揃い具合の違いなどを改善すれば、よりオープンデータを利用しやすくなると思います。このように、オープンデータの活用事例が増えれば、単純に世の中が便利になるだけでなく、欲しいデータや不足している物が見えてくることにより、オープンデータそのものの改善にもつながる可能性があります。 Open Data TOYOHASHIには今回使った以外にも多くのデータがあり、また使いやすいAPIも提供されているので、今後もそれらを使った様々なアプリケーションを開発していきたいと思います。