9月10日(土) こども未来館 「ここにこ」にて「ブラトヨハシ#1」を開催しました。 キャッチコピーである「まちの魅力 発見、発信!」通り、まち歩きをしOpenStreetMap(誰でも自由に使える地図)やWikipedia(インターネット上にある百科事典)に地元情報を掲載しようというイベントです。
普段何気なく見ている街を詳しい人に案内して貰ったり、図書で調べたりすることは、自分たちのまちをよく知るきっかけとなり、地元愛へと繋がります。また、そこで得た知識で情報発信することは、街の外の人にもその魅力を伝えることになり、地域資源の発見アピールへと繋がります。
今回のイベントでは参加者に以下2つから好きなルート(ランチ?)を選んで頂き、ガイドさんに現地の歴史や文化を案内頂きながら、「マッピングパーティ(後述)」と「ウィキペディアタウン(後述)」の2つの世界を体験頂きました。
・吉田城コース(青ルート)
・水上ビルコース(紫ルート)
※吉田城コースの帰路は当日時間的都合により路面電車から徒歩に変更になりました。
マッピングパーティの世界
「OpenStreetMap」(以下OSM)は誰でも自由に利用、誰でも描ける地図(地理情報)を作成編集することを目的としたプロジェクトです。
※.OpenStreetMapの利用に際しては、クレジット表記が必要となります。 詳しくは、OpenStreetMapの著作権とライセンスをご覧下さい。
世界中のマッパーと呼ばれる有志を中心に地図が描かれており、今回のイベントでも事前にベテランのマッパーの方々により 衛星写真等からコース上の地物を中心にトレース頂きました。加えて当日は参加者の方々にも現地を歩き取材した地物を描き加える等の マッピングを体験頂き、市街地の地図がこんなにも充実したものになりました。
© OpenStreetMap contributors
© OpenStreetMap contributors
これは本イベント開催前の吉田城コースの一部を抜粋したものです。 イベント開催前(Before)と開催後(After)を比べてみるとその差は一目瞭然。 例えば松葉公園はGoogleMapの描画と比べ、公園内の通路の様な詳細まで描画されていることが分かります。これもマッパーの方々と参加者の方々のご協力の賜物である事が分かります。
ウィキペディアタウンの世界
インターネットの百科事典「ウィキペディア」(以下Wikipedia)は世界中の人々が寄稿した記事により構成されています。それらの記事を寄稿したり管理したりする人達のことをウィキペディアンと呼んだりします。 また「ウィキペディアタウン」とは、その地域にある文化財や観光名所などの情報をWikipediaに掲載し、それら情報へのアクセスの容易さを実現した街の事です。
具体的なメリットとして挙げられる主な理由は以下2つです。
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Google等のインターネットで調べ物をする際、上位にWikipediaのページが紹介されます。 これは行政等が独自で観光サイトを用意することなく、SEO(検索エンジン最適化)が施されたページに誰でも情報を掲載できるため、ユーザーが地域の情報に触れる機会増加へと繋がります。
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現地の看板等にQRコードを載せることにより、そこに訪れた方々がその場で、関心を寄せた情報へ直に誘導することが可能になるばかりか、常に最新の情報を得ることができるようになります。
勿論、百科事典という特性上、中立的で厳密に事実に基づいた記事でなければならない等の表現に制約はあるものの、地域情報へのアクセスを促すことは、活性化に繋がるものであると考えられます。
今回のイベントでは、ウィキペディアンの協力の下、参加者により豊橋「大豊水上ビル」の記事を大幅に加筆すると共に、豊橋の名物食である「菜飯田楽」の項を起こしました。
「大豊水上ビル」の加筆の経過は以下の様なカタチで確認できます。
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=大豊水上ビル&type=revision&diff=61094402&oldid=55721394
新たに「菜飯田楽」の項を作成し、「豊橋市の名物」に「菜飯田楽」を記しました。
謝辞
今回このイベントを開催するにあたり、以下多数の方々よりご協力を頂きました。
■テクニカル面は、経験豊富な以下の方々にサポート頂きました
・Code for SAITAMAの副代表でマッパー(OSMの地図を描く人)の古田様 ・ウィキペディアン(Wikipediaの編集や管理を行う人)の澤田様 ・OPENDATA京都実践会の坂ノ下様をはじめメンバーの方々 ・以後ハンドルネームとなります ・下り専門さん(マッパー) ・Halowandさん(ウィキペディアン) 等々多くの経験者の方々にご参加頂きました。
■街の歴史や文化面は、豊橋をこよなく愛する以下の方々にガイドとして現地をご案内頂きました
・豊橋市中央図書館 岩瀬様 ・豊橋市街中活性課 伊藤様 ・名古屋⇔豊橋ブログ 山本様 ・愛知大学 地域政策学部 駒木ゼミの学生の方々にも参加頂きました。
他、主催運営を行うに辺り、我々は京都の世界遺産マッピングのイベントに参加させて頂きました。 その際に分かり易くマッピングをご教授頂き、さらには応援メンバーまで送り込んで頂いた、 恩師山下様にも感謝致します。
最後に、文化とテクノロジーを結ぶ縁を下さった、田原市図書館 豊田様、WikipediaTownという 世界を教えて頂いた京都府立図書館の是住様、ぱったり堂の内浦様、イベント準備やサポートに豊橋市役所の産業政策課をはじめ実に多くの方々にご協力を頂きました。 ここに重ねてお礼と感謝を述べさせて頂きます。