2018年10月10日(水)に「AIを使ったきゅうりの自動選別 – 業務で使える!AI活用セミナー」と題したイベントをCode for MIKAWAと中部IT協同組合で共催という形で開催いたしました。
このイベントは注目度の高いAI(人工知能)に関する注目度の高いイベントということもあり、なんと115人もの多くの方にご参加頂き、大変好評でした。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!
講演会では、きゅうりの選別をAIで行うというプロジェクトに取り組まれている、小池 誠様にお越し頂きました。小池様は豊橋市の隣の湖西市でご自身もきゅうり農家として実家を助けるべく、活動されています。
小池様がたった一人で、身近な課題解決に取り組んだこのプロジェクトは、Googleの日本法人の目にとまり、大変ユニークなAI活用例として世界に紹介され話題となりました。
このプロジェクトは一日4000本のきゅうりを手作業で仕分ける母親の負担を軽くしたいという思いから始まり、現在に至るまでの奮闘記を交えてお話し頂きました。
講演頂いたアジェンダは以下の通りです。
- AI技術を活用したキュウリ選別機の開発
- 農業におけるAI技術の活用
- 誰でも使える技術
また、資料の公開が遅くなってしまい、申し訳ありません。 今回の講演の際のスライド資料は、小池様からSlide Shareで公開頂いてますので、ぜひご覧ください。
・講演スライド
https://www.slideshare.net/ikemkt/ai-119187344
当日の様子は鈴木まなみ様がまとめてくれましたので、ご紹介します。
また、講演後には、会場でAIを使用したきゅうり選別機のデモンストレーションを行って頂きました。
小池様より開発の際に苦労したこと、工夫したことなどを交え、実際の自動選別の様子を生で見ることができました。
小池様が試作してきた選別機は現在はなんと3号機!
選別機の上にきゅうりを置くと、OpenCVを使ってそのきゅうりの輪郭を抽出して画像として切り出し、それをTensorFlowによる小規模ニューラルネットワークで画像分析し、きゅうりの等級が分類されます。
そして、分類されたきゅうりの等級とその信頼度が画面に映し出されます。
等級が誤っていた場合には、なんと選別機の画面上で等級のチューニング(変更)もできるとのことです。
実際に苦労されている現場だからこそ生まれた工夫が盛りだくさんで、参加者の皆さんも興味津々でした。農家の方も来て頂いており、きゅうり以外への応用もできないかと考えていらっしゃる方もいました。
小池様がこれまでに行ってきた活動は、小池様のブログ(以下URL)よりご覧いただけます。
・Workpiles
http://workpiles.com/
昨今、話題ばかりが先行している感のあるAIですが、小池様が個人で取り組んだ身近な課題へのAI(深層学習)活用アプローチは、地に足の着いたものとして大変勉強になるものでした。
小池様自身も実践されているように、深層学習のライブラリがオープンソースで提供され、AIを個人でも取扱えるようになってきており、工夫次第で実際の現場の課題解決に役立てられることに可能性を感じます。
また、機械学習や深層学習といった技術はデータが重要なものとされておりますが、そのAIの学習データとして、オープンデータを活用をすることも考えられます。
オープンソースおよびオープンデータをうまく活用することで、身近な課題解決の手段としてAIの技術はシビックテック活動にも活かせる段階にきています。
それでは!