概要
- The things networkとLoRaを使って豊橋にオープンなIoTネットワークを試験的に構築
- 課題を解決するアイディアを形にするためにイベントを実施
イベントページ: https://uzura.doorkeeper.jp/events/99254
どんなことができる?
エリア内なら市販のLoRaエッジデバイスを利用することでだれでもサーバにデータをアップロード可能になります。 従来のIoTには個人で回線契約を行い通信料も負担する必要がありました。LoRa WANを用いると、通信にコストを掛けずにIoTデバイスを構築できるため、個人で活動する人であっても手軽にIoTを構築することが可能になります。
そのため、LoRaを利用したIoTによって東三河の課題を住民で解決し地域をよりよくできると考えています。
ゲートウェイの設置
豊橋サイエンスコアの屋上にゲートウェイを設置しました。
0. 準備
まず、ゲートウェイの設置に向けて準備をしました。
- 設置に必要な物品の選定
- ゲートウェイとルータ間の配線方法・経路
- ゲートウェイの電源確保
- 設置方法の検討
- 設置場所の交渉
1. 設置場所の下調べ
ゲートウェイはサイエンスコアの屋上に設置しました。 屋上でゲートウェイの設置に適した場所を複数箇所を比較して設置場所を検討しました。
設置場所選定のポイント
- 周囲が開けている:エアコンの室外機などで電波が遮られないような場所を選ぶ
- 高さがある:高い方が遠くの電波が届きやすいため
- 取り付けやすい:豊橋は風が強いので、ゲートウェイが風で飛ばされないようにしっかりと取り付けられる場所を選ぶ
いくつかの設置場所でボックスの安定性を確認しています
2. ゲートウェイの設置準備
安全に取り付け工事を行い、風で飛ばないように設置する方法の検討、工事日程の調整、作業の流れの確認を行いました。
3.ゲートウェイの設置工事
ゲートウェイの設置工事の流れ
- LANケーブルの敷設
- 防水ボックスの固定
- 防水ボックスへのLANケーブルの配線
- 防水ボックス内の配線作業:LANケーブルをカシメて、PoEインジェクタ、PoEスプリッタ、ゲートウェイを接続します。
- ゲートウェイの設定
4. 動作確認
ゲートウェイ設置場所からのパノラマ360度画像(クリックで拡大します)
豊橋市役所展望台との通信実験
豊橋市役所とサイエンスコアはお互いに目視では見つけられませんが通信できました。直線距離で約6km離れています。
5. 通信エリア調査
バイクの後ろにLoRaエッジデバイスを取り付け、デバイスから番号をThe things networkにアップロードします。 同じ番号をRaspberry Piにも有線で送信し、番号とGPSの情報を紐付けて保存します。The things networkとRaspberry Piに保存したデータを照らし合わせることで、送信可能場所を見つけます。
エリアマップ
ワークショップ
あいさつ・趣旨説明
テクノロジー紹介:LoRaの紹介・アプリケーションでの活用
LoRa、The Things Networkを用いたLoRa WANについての紹介と使い方説明、LoRaの利用事例、LoRaゲートウェイの設置作業についての紹介を豊橋技術科学大学 村井 宏輔、Code for MIKAWA 辻 大地が行いました。
ポイント
- LoRaは長距離通信規格で、データ量は少ないけど長距離届くよ
- LoRaでエッジデバイスからゲートウェイに送信したデータをインターネット経由でThe Things Networkのサーバに送るよ
- The Things Networkでは受け取ったデータの蓄積・転送、ゲートウェイやエッジデバイスの管理をするよ
- エッジデバイスで送信したデータをクラウドで表示できたよ!お弁当販売の残数カウントできるよ
センシングの世界
LoRaを用いたインフラ診断の最新研究について豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 准教授 大村 廉 准教授から講義していただきました。
ポイント
- 研究の視点からは無線局免許、無線従事者免許不要で実験できるのは研究しやすくなり、LoRaの魅力
- ほどよく電波が届き、省電力なのでLoRaを選んだ
- デバイスの設計時の工夫についてお話をいただきました。
社会実装の世界
LoRaをIT農業に利用するテーマで株式会社IT工房Z 沖 光芒 様にお話をいただきました。
ポイント
- ビジネスの視点からはLEDなどを取り外した省電力ボードが欲しい(注釈:LoRaデバイスではLEDが消費電力の大半を利用する)
- 実際のビジネスでは利用場所がLoRaのエリアかどうかがわからないので可視化したい
- ゲートウェイの設置費用は誰が負担するのかがネック
スポンサー
今回はさくらインターネット様にスポンサーとして協力いただきました。さくらインターネットのサービスについて、シビルテックに使えるさくらのサービスについてお話いただきました。 なんと!今回はさくらのクラウドの20000円クーポンを頂戴いたしました。これを利用して、さくらのクラウドとThe Things Networkを連携してアプリ開発を行います。
LT枠
きゅうりの小池さん
AIを使ってきゅうりの大きさ選別を行っている小池さんから農業でのIT活用、ビニールハウスでのネットワークについて教えていただきました。
技術系漫画家 見ル野さん
技術系漫画家として著名な見ル野さんから、世界初のオープンデータ漫画 『まち想い!シブすぎオープンデータ&どすごいシビックテック』についての紹介をいただきました。
漫画はこちらから読めます。
https://uzura.org/archives/2396
トヨらぼ 東さん
豊橋市を拠点に活動する学生エンジニアコミュニティトヨらぼの東さんから活動内容の報告と豊橋をよりよくする活動についての紹介をお話いただきました。
ハンズオン
ハンズオンはクラウド側のアプリチームとエッジデバイスのハードウェア側のセンシングチームに分かれて行いました。
アプリハンズオン
The Things Networkにエッジデバイスからアップロードされたデータをさくらのクラウドで利用する方法を習得しました。
センシングハンズオン
センシングのハンズオンではArduino内臓LoRaデバイス dragino LoRa dev miniを用いて、温度湿度センサの値を読み取り、LoRaを介してThe Things Networkにアップする一連の作業を行いました。 そのあとは、用意した照度センサ、超音波せんさ、傾きセンサ、人感センサなどを自由に利用してプログラムをしていました。 途中で、USBシリアルICのCH340がHigh Sierraで利用できない問題があって苦戦しましたが、なんとか全員動作することができ、LoRaエッジデバイスについて理解を深めました。
アイディア発表・マッチング
最後に利用したセンサやどんなことがしたいのかを発表しました。